ムスメが保育園の発表会で『桃太郎』をやることになり、久しぶりに桃太郎の絵本を読んでいます。
昔話を読んでいると、「あれ?こんな話だったっけ」って思うことありませんか?
同じテーマの昔ばなしでも、作家が変わればストーリーも変化するようです。
探してみたところ、面白い『桃太郎』が出てくる出てくる!!新しい『桃太郎』ワールドを楽しめる本をご紹介します!
桃太郎ってどんな話だっけ?
まずは桃太郎のストーリーを確認しましょう。
山に暮らす老夫婦。
おばあさんが川で洗濯をしていたところ、大きな桃が流れてきたので拾って帰ります。
切ってビックリ!桃の中から男の子が生まれたので『桃太郎』と名付け大切に育てますが、大きくなった桃太郎は鬼退治に……。
そこからなんやかんやありまして、鬼を退治し宝物を持ち帰ってみんなハッピー!
というお話。
下でご紹介する本も『桃太郎』の基本的なストーリーはどれも同じ。
しかしながら、言いまわしや視点を変えるだけで、ずいぶんと印象が変わります。
桃太郎がテーマの本
私たちが知らない桃太郎ワールド!気になっていた鬼ヶ島のその後や、桃太郎の気持ち、禁断のブラック桃太郎をお楽しみください。
それからのにがしま
『それからのおにがしま』は、桃太郎が鬼退治をしたあとのお話です。
鬼ヶ島の「その後」、気になりますよね!?
このお話の中では、桃太郎が勝利したあと、鬼と人間の交流が生まれます。
子どもたちが仲良く遊び、種族間の境界はなくなり平和な世界になりました…というストーリー。
ほのぼのとした情景が目に浮かび、優しい気持ちになれる絵本です。
最期には、少し目頭が熱くなってしまいました。
桃太郎が語る桃太郎
桃太郎の目線で物語を見ると、新たな発見があります。
おばあさんがくれたのは、力の出るじまんのきびだんごでした。
それからふたりは ぼくの手をにぎりました。
ポカポカとあたたかい、ふたりの手のひら。
なみだが出そうになったのはどうしてだろう。「いってきます!」
外は気もちのいい青空でした。出典:桃太郎が語る桃太郎 高陵社書店 初版2017/4/25
この部分だけで泣きそうになりませんか!?
一人称にすることで桃太郎の気持ちがグングン流れ込んできます。
絵本の最後には、君が桃太郎だったら?登場人物の気持ちは?
など、読み終わったあとに子どもと語れるようになっています。
あなたのお子さんはどんな桃太郎でしょうか?
桃太郎 芥川龍之介
この桃太郎は、お子さんへの読み聞かせはオススメできません(笑)
私たちが慣れ親しんだセリフ、犬の「桃太郎さんきびだんごを一つ下さい」というセリフも、芥川龍之介にかかると……
桃太郎は咄嗟に算盤を取った。
「一つはやられぬ。半分やろう。」
犬はしばらく強情に、「一つ下さい」を繰り返した。しかし桃太郎は何といっても「半分やろう」を撤回しない。こうなればあらゆる商売のように、所詮持たぬものは持ったものの意志に服従するばかりである。出典:桃太郎 芥川龍之介「芥川龍之介全集5」ちくま文庫、筑摩書房
1987(昭和62)年2月24日第1刷発行
クズ感がスゴイ。
芥川龍之介が書く桃太郎は、ケチな上に「働きたくないから鬼退治に行く」というクソニートです。
鬼が島の宝物を奪うために、幸せに暮らしている鬼たちの国を襲撃。
もはや盗賊。
私たちの知っている桃太郎はどこへ行ってしまったのか……。
なんとも生々しい芥川ワールドをお楽しみ下さい。
青空文庫で無料で読めますよ。
これだけ違う桃太郎があると、子どもだけでなく大人も楽しめますよね!
ぜひ読みくらべてみて下さい😊